1:2013/09/11(水) 19:50:23.13 ID:

 宮崎駿監督(72)が電撃的に長編映画からの引退を発表。
体力的な限界などが理由とされているが、宮崎監督の膨大な作業量を考えるともっともだと言える。
しかし、かつて宮崎監督はその作業スタイルを変えようと試みたことがあったという。

 宮崎アニメに使われる絵の枚数は膨大だ。例えば「崖の上のポニョ」は約17万枚で、
その隅々にまで宮崎さんの手が入っている。
信じられないほどの作業量をこなして初めて、生命力に満ちた動き、映像の快楽が生まれる。
その作業が体力的に限界となれば終わりを迎えるしかない。

 ジブリ関係者によれば、「風立ちぬ」の製作は、これまでの作品以上に宮崎さんの気力・体力を奪ったという。
同時に製作していた高畑勲監督による「かぐや姫の物語」(11月23日公開)に、
日本中の腕利きのアニメーターが集められた結果、「風立ちぬ」のスタッフが手薄になってしまったからだ。

「宮崎さんはつらそうでした。主な登場人物の作画を、全部自分が主導せざるを得なくなったから。
『本当はあのアニメーターにやってもらいたいんだが』という嘆きを何度か聞いた。
『かぐや』の製作は遅れ、担当プロデューサーが宮崎さんに『何人かアニメーターを回して』と
お願いに行った時には激怒していました。
『そっちにはすごいのが腐るほどいるだろう!』って」(ジブリ関係者)

 実は宮崎さん自身、「違うやり方」を試みたこともあった。1995年公開の「耳をすませば」だ。
宮崎さんは脚本・絵コンテを手がけたが、実際の作画は信頼するアニメーター・近藤喜文さんに委ねた。
鈴木敏夫プロデューサーらは「成功すれば、宮崎アニメの新しいスタイルが誕生する」と期待したが、
宮崎さんの答えは「二度とやらない!」だった。
それはなぜか。鈴木プロデューサーが以前、こんな話をしてくれた。

「近藤さんの作画で、主人公の少女・雫の性格が、宮崎さんの意図と変わってしまった。
例えば雫がしゃがみ込むシーン。誰も見ていないのに、近藤さんは雫に
『下着が見えないよう、スカートを手で押さえる演技』をさせた。
これによって雫は『考えてから行動する自意識過剰の子』になった。
だが、宮さん(宮崎さんのこと)の好みは
『下着なんか気にせずにさっと座ってしまう、考える前に行動する子』。
この違いが宮さんには耐えられなかった」

 仮に「自分は絵コンテ作りまで」というスタイルに宮崎さん自身が納得できれば、
今後も長編アニメを作り続けられる。
だが、それは宮崎さんが、自ら原画を描くアニメーターではなくなることを意味する。
「監督になってよかったと思うことは一度もなかったが、
アニメーターになってよかったと思うことは何度かあった」と話す宮崎さんにとって、
それは決して受け入れられないのだ。

http://dot.asahi.com/wa/2013091000036.html

【【これがジブリを育てた】◆宮崎駿が「二度とやらない!」と言った手法 ◆【男のポリシーだ!】】の続きを読む